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ぼくは具合がよくなかったので行っていないのですが、小4むすめと妻がとある公園で秋らしいフェスティバルに行った時の事。
そこに出展されている出店は創作物が多く、むすめにとってはとっても魅力的で声もあげずに目を輝かせながら見入っていたそうです。
そんなお店のひとつに、オリジナルのタイル屋さんがあって、それがまたむすめが食いついていたそうです。
買って来たものは小さいタイルなのですが、そのタイル屋の店主がデザインして一個一個焼いたものだそうです。
お値段を聞くと、なんと1個「600円!!」
「ひえ~、そんなすんの??1個で済んでよかったじゃん。」
しかしながら、むすめのタイルを見つめるキラキラした目を見ると「だめ!」とはいかなかったそうです。
買ってあげるのは良いけど、ただじゃ帰ってこない妻。
「どうしてむすめが一瞬でこのタイルに惹かれるのか?」そっちの方に興味を持って、その店主(おねえさん)にお話しを聞いたそうです。
そして、そのおねえさんの簡単な属性として、
- 小さい頃から粘土をコネコネするのが好き(むすめそっくり)
- 小さい頃から何か作るのが好き(むすめそっくり)
- 自分の好きな事をやりたかった(むすめそっくり)
「あーそうか、とにかく好きな事に打ち込むことが好きなのね。」とむすめと相似形の何かを感じたそうです。
そして、こっからは大きくなってからなのでむすめとは比べられませんが
- 大学(美大を出たらしい)では彫金を修得。
- 彫金を活かしてみようと思ったけど、やっぱりねんどをコネコネしたくなった。
- それでオリジナルデザインのタイル作りをしている。
なんで、美大では彫金を修得されたのかは知りませんが、ちょっとした気の迷いか?それともたまたま合格したのが彫金だったのか?
結果的には、彫金では深い深い沼には入ることができずに、実際の生業として深い沼に入るには「ねんどコネコネ」だったのねー と妻の話を聞いてそんなことを感じました。
美術芸術の世界はよくわからんのですが、彫金だって、文化的には意義の高いものだとぼくは思うんですけど、本当に好きな事(ねんどコネコネ)を寸断させてまでする事までだったのかな?とご自身の中で湧き上がってきたんでしょうね。
それで、やっぱり「わたしは!ねんどこねこねだわ」となったのでしょう。
ちょっと遠回りしましたが、その方は彫金に大学4年間に触れたことによって、本当に大事なことを思い出させたのですね。
他人同士でも気の合うわかる瞬間
むすめのバックポシェットには、なぜか「めんだこ」のキーホルダーがぶら下がっています。
その店主のおねえさん。それを目ざとく見つけて「わたしもめんだこ好きですよ~」と、他の人にはわからないようなむすめと会話が広がっていたようです。
なんとなくむすめと感情が合うような気がしたように感じたひと時だったそうです。
なんて言うか、他人同士でもこの人と深いところまで何かに打ち込めそうな時っていうのは、年齢性別関係なくわかる瞬間ってのがあるもんです。
自分を自分らしく形作るのは、自分の興味一本でも良いのですが、こうやって異なった経験をしてきた人に出会った時にもあるんですね。
台無しなおとうちゃん
ぼくなんかは、その「タイル600円/pcs!」と聞いて、
「ぼくなら、もっと絵付けもプリンタで印刷したものにして大量に一気に焼いて、100円/pcsに収まるようにするけどな。」と言うと、
妻に苦笑いをされてしまいました。
商学部(ぼくの出身です)と美大の差はここに出て来るのでありました。
これじゃ、むすめの気持ちなんかわかってあげることなんか永遠にできないや。
ごめんね。
でもね、むすめの興味を寸断させることが無いようにおとうちゃんもがんばるよ。
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