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先日、とあるJRの無人駅に車いすの観光客の方が急に訪れて、合理的配慮を要求しそれにJR側が人員を割き配慮をしたよと言う話を聞きました。その事を聞いて思ったことですが、数の多い健常者は移動の自由等はどこに行っても保障されているわけで、逆に障害者は健常者に比べて割合が少ないので様々な自由が制約されざるを得ないと言う場が多いのかなあと感じるところが多いのであります。
法律がそうなっているからというのもありますし、事業者側も事業レベルで考えると、健常者目線で作られているものは未だに多く、障害者にとって使いづらいものは町を歩いていてもかなりあるのであります。それに障害者が文句を言ったとしても、社会全体で拒否するようなことがあった場合にはそれは差別にあたるのだろうと言えるのかと思います。
今のところ、そんな主張も障害者の自由意志に任されているところが大きくて、障害者個々人のハードルってのはものすごい高ーい高ーい壁となって立ちはだかっているのが事実としてあるのが悲しいところです。
学習障害についても同じ事が言えて、外見からわかる「障害者」と違って、分からないのが厄介なところ。それだけに、うちを含めて多くの方々が学校に分かってもらおうと賢明に意思表示をしています。そして、できるだけの合理的配慮をお願いしてやっとわかってもらうと言う涙ぐましい努力を重ねているとことです。
その学習障害ですが、最初は親のぼくが見ていても「何で、こんな簡単なことわからないんだ?」と思った事から始まって。
それから、こども目線で見て行くと、、、、
(あ、字が読めてないんだ)→
(なんで読めないんだ?)→
(読んでみてと言っただけで、なんで癇癪起こすんだ?)→
(なんで、カタカナ読めないんだ?)→
(なんで変な漢字書くんだ?)、、、、、、
と様々なことを反芻しまくって、最後に「俺のむすこはそんなはずはない!」と言う信じられない気持ちを叩き割って、ようやく診断を。。。。。。。
そんな診断もやってくれるところが少ないから、専門家を探すのも一苦労。
駅前に、歯医者、内科、耳鼻科、眼科はあっても、「字が読めない書けない外来」なんてありゃしない。
やっと出来た診断の結果、やっぱりそうかとようやく認めて、腹をくくる。
こんな感じで親だって我が子が「字が読めてない」ことに気付くのに時間がかかる。
ましてや周りの人なんかわかってくれやしない。
しかも、学校で配ってくれる教科書だって「普通」の人用だから、それぞれの症状に合わせた学習障害用に作ってくれている訳はない。
約8%いるとされる学習障害者。
銀行金利が、経済成長率が、完全失業率が、8%もあったらみんなお騒ぎでしょう。
やはり、もっと声をあげないといかんのかな?と思う今日この頃であります。
算数について
昨日は、国語、社会、理科について記述しました。
むすこの小学校では、まずクラス全体で単元を片づけて、その後習熟度別クラスで復習をしています。
学習の遅れがあるクラスには3人先生がやってきて寄ってたかって教えているそうです。
(以前は、副校長先生に教えてもらった!と喜んでいたこともありました。)
ありがたいことです。
読めてない問題
小5の算数は最初は、「整数と小数点」その次は「直方体や立法体の体積」に入ります。いよいよ体積です。
いっしょにお風呂に入った時等に、お風呂のお湯が溢れたりすることで、体積の実感はしてもらっています。体感的には分かっています。
しかし、このようなテストが出ると、なんなんでしょうか?
明らかに左半分の下が読む事に疲れ切って読めていないのがわかります。
文章題の計算問題は比較的好きなので、上半分だけ余力のあるうちに片づけて、左下の問題をやるつもりだったそうです。
ちなみに、出来ていない問題を、ぼくが口で聞いて問いてみると「あ!わかった」とすらすら言えています。
答案にできないところが悲しいところです。しかも、右上の問題の単位が間違ってる!!!!!
タブレット問題みたいに、答えの数字だけ書かせる問題にしてくれればいいのに!
算数の習熟度別クラス
実はこのプリントは、「習熟度別クラス」分け(3クラス)用のプリントです。
こんなに間違っているのに、むすこは何故か真ん中のクラスです。
もっと、ひどい子いるのか??
と言う訳では無く、頭の中で理解しているかいないかをよくむすこにヒアリングしてくれていて、答案に書けていないだけと言う事で真ん中のクラスのようです。
いくら理解しているからってこれで、一番上のクラスだと上の子に申し訳ないですもんね。
立方体を平面で考えるなんて。。。。
これは、上のプリントの裏面です。
普段の行動力の良さから、空間で物事を捉えることは得意なむすこです。
反対に、紙に書いてある平面を読み取るのが不得意です。
展開図とか立・直方体を平面に置き換えるのは今のところ感覚がつかめないようで、不得意であることが分かります。
ただ、上の救いは穴埋め問題は出来ています。理屈が先に来ても分からない子ですが出来ています。
これで空間の感覚がつかめれば、直方体、立方体の認識が出来ると思います。
もうすこし!
紙の上だけではなく、ブロックでも用意して感覚を養ってもらおうと思います。
そんなブロックを用意して、ただ問題を聞くのではなく教科書を出版している東京書籍さんに教科書にあった問題がありますのでこれに沿って用意した教材等と問題を出して慣れていかそうと思います。
まとめ
この間むすこの口から「障害だけどがんばる!」と言う事を聞きました。
そんなに気を入れる事はないと思うのですが、「障害」って言うことばはかなり引っ掛かってるみたいです。
冒頭に身障者の話を出しましたが、このように苦労しているむすこをみていると、
ぼくも、結局「普通」ってなんだろうって毎日自問しているところです。
うちのむすこの場合、街の看板程度であれば簡単なものであれば読めて、何の情報が書いてあるかわかってくれるようになりました。
次のフェーズとして、その書いてあることがわからなかったとして、誰に聞けば答えを教えてくれるかを伝えていこうと思います。
今までは、「公衆電話の使い方教えなきゃ」「切符の買い方教えなきゃ」「改札の通り方教えなきゃ」「お金の払い方おしえなきゃ」とかあれこれやらなければいけないことを考えたりメモることが多かったです。
でも、今は今日流行っていたことが、明日陳腐になってしまう時代です。
ぼくだって、最新型の切符券売機なんてSuicaもあるし、戸惑うと思います。
身障者のバリアフリーだけでなく、学習障害者へのバリアフリーも「おもてなし」と言う名の下で親切に対応してくれることも多くなっています。
「ひとりで全部やろうとしないで、人に聞いて助けてもらう。」そんな処世術を教え込んでいくのも大切かなと思うのであります。
まだまだ、人と人との関係が大事なのだとそうも思うのです。
そう思うと、親から教わることなんか、何にもないかもしれない。
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