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少し前に、ギフテッドの事が話題になっていましたので、何冊か手に取ってみました。
この本は「世界ギフテッド&タレンティッド・チルドレン協議会」の肩書の著者です。
このような協議会があるんですね。知りませんでした。
この界隈でこどもと奮闘されている方ならもう知っている内容が多いので、特にご紹介する必要があまりありません。
海外の「ギフテッド教育」事情の事例の記述があって、興味深く拝見しました。
中でも、ニュージーランドと台湾での対応が面白い。
ニュージーランドの事例
ニュージーランドは、小学校以上にはギフテッド児だけの専門学校があって、公立学校と同時に通うことが可能らしい。
記述にある事例で、公立中学校にも通っている子が、高校進学に有利になるとかなんとかで、でも先生や規則が厳しい公立中学校は辛いらしい。
そこで、賢明な親がギフテッド専門学校を見つけてきて、そこにも通って宇宙工学エンジニアの勉強をしているとのこと。
すばらしい。中学生で宇宙に住めるようになる研究をしている子がいるんですね。
ちなみに、ニュージーランドでのギフテッド認定は「IQ」や「試験」での認定はなく、保護者・教員・友人・本人の推薦で認定するそうです。
診断試験をしない理由としては、多種多様なこどもをテストで測れないからとの理由だそうです。これは好印象です。
ここで、ちょっと疑問に思った事として、ギフテッド教育を受けた後の進路については学校の方では後追いをしないらしい。
支援をして、卒業後は自由にやってくれ!と言うことです。検証もしないらしい。
ギフテッド教育が、成功か失敗かは難しい問題ですけど、プライバシーの問題はあると思いますが、匿名での検証ぐらいはしてほしいと思いました。
検証しなくても、統計ぐらいは見てみたいものです。
対策ばかりで検証が無いのは、わが国だけではないようです。
ぼくも中学生の頃に、定期テストの度に点数取るためのPDCAでやらされましたけど、先生全員が生徒の理解度を確認するPDCAなんてやっていたかと言うと、いささかなりとも疑問に思っています。
無理やりPDCAなんかやらされても、おとなになっても嫌いになるだけだよ。
中2の時に先生から指名されて、全校で使う「定期テストPDCAノート」なんてののひな形を作らされた事があるのでよく覚えています。そんな事で、定期テストの検証についてはよく覚えています。
嫌いだったけど。
ニュージーランドも台湾も島国・地域でありますので、何となく似たところがあると思います。
現実の問題として、少子高齢化社会率がダントツ1位の日本です。
ギフテッド教育ばかりでなく、少ないこどもを如何に得意分野で活躍してもらうか?個人の学びへの配慮(インクルーシブ)を少しは見習って欲しいなとおもうところです。
北欧
個人主義が絶対と思っていたのですが、北欧でもまだまだ。
スウェーデンはいま検証中。
少し驚いたのはノルウェーの例。
我が国よりかは考えられているようですが、本書から読み取れるのは「サイエンス系の天才」を育てようと言う事のみ。
ギフテッド児同志の交流等は提供されていますが、はっきりわかる才能優先で可能性を秘めた「才能はみ出しっ子」個々人への学びの配慮はまだまだ遠そうです。
その思想の裏として「優れた素質をもった人はそれを自慢してはいけない」という「ヤンデの掟」の価値観があるそうです。
うへー
日本人には日本人でないと理解が難しい価値観もありますが、北欧にもそんな社会通念があるとは知りませんでした。
こんど、ヨーロッパにいる親戚に聞いて見ようかと思います。
まとめ
結局、本書の後ろの方にも、ありましたが「ギフテッド教育の世界基準は、まだない」これに尽きるのかと思いました。
それぞれの国が、それぞれのご事情で色々な施策をしているのはわかりました。
しかし、考えている国は動き始めているのは確かです。
わが国ではこれだけ、不登校、授業が荒れる等、問題を知っていながら現場任せ、親任せにしているところが何とも、レベルが低くて情けの無い話です。
別に「ギフテッド」じゃなくてもいいじゃん。
やっぱり、才能が国家の利益に既存の産業に確実にわかりやすくつながるもので無いとだめなのかな~(なにがあたるかわからない世の中なのに。)
それぞれがストレスなくスムーズな教育だったらそれで良いと思います。
その事が配慮されれば、うちのむすめだって小2で授業中居眠りするしちゃうようなことなかったんだろうな。
しかし、表題の「育て方」と付けるのは、ちょっとね。。。。「各国事例紹介」でいいんじゃん?
それが読めただけでも、良かったと思います。
また「各国事例紹介」がアップデートされたらよろしくお願いします。
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