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「おとうちゃん、この人ぼくといっしょだ!」と本を持って言ってきた、小5むすこ。
読書を毎晩少しづつしていますが、読み始めた「フットボールアカデミー」も4巻まで来ました。
舞台はイギリス、イングランドです。
その4巻の主役はサッカーチームのミッドを担当している子です。
その子は文字の読みが不得意な男の子です。6年生で11歳です。
これまで文字が読めないなんて誰にも言えずに来ました。
親にも、先生にも、唯一の親友以外のともだちにも言っていない。
誰にも言っていないなんて、こんな事があり得るのか?と思いますが、親が働きづめでこどもの学習に無頓着だったり、そもそも文字が読めない事象なんてあり得るのか?と信じて疑わない人には理解させるのは難しいでしょう。
この巻に描かれている少年は、学校では文字が読めないことがバレたらどうしようといつもびくびくしています。
文字なんか読めないから、もちろん成績も悪い。
小さな妹、弟に絵本を読んであげられたらどんなに良いだろうと言うところでは読んでいて切ないきもちになりました。
文字が読めない分発達したこと。。。似てるぞ。
そんな彼が勉強も文字も忘れられて思い切り打ち込めるのがサッカーです。
文字が読めないことから、ともだちと話を合わせるために、数多くの知ったかぶりもしてきたのでしょう。
そして、分かったふりを繰り返していく度に、予測や、その分色々なことを敏感に感じ、想像力も豊かになっていき、サッカーやゲームでの予測能力が発達したのだと思いました。
まるで、自分のむすこがそれ。
余りにも重なることが多くて、読んでいて涙が出てきました。
「空気を読むのが上手い」とかつての保育園の先生からも言われました。勘が良いんです。
それは、字を読む必要がほとんどなかった幼少時代から、壁に書いてある文字を読む事を諦めて雰囲気を掴むことで行動していたことだったからかもしれません。
文字を読めるようにしよう!特に漢字。
昨年から本格的に、ディスレクシアの為の授業を月に2回程受けに行っています。
書字の方は、比較的バランス良く書けています。
しかしその書字をしている文字を読めないまま書いていることが多いのが事実です。
そんな訳で、今はとにかく「漢字を読めるようにしよう!」と言って読字の方をがんばっています。
外に行くと看板・表示書きや商品の表記を読んでくれることも増えました。
車に乗れば標識を読もうとします。
文字を雰囲気や形で覚えている。
この巻の少年が、本の中で
「Arsenal」は読めるけど
「London」は読めない
と言うシーンがありました。
サッカーをやっているのでプレミアリーグのチーム「Arsenal」と言う文字列はお馴染みです。これは形として読み方を知っていますが、「London」は馴染みが無くてただの記号が並んでいるだけとありました。
むすこも、ディスレクシアがわかる前からそうだったと思われます。
今でも、なんとなく似ている文字で読んでしまったり、書き取りテストで書いてしまうのはそういうことなんでしょう。
漢字や英単語文字列を分解して覚えるのは似てるかも。。
本の中で同じディスレクシアの監督から文字の読み方のアドバイスを受けますが、覚えといた方が良い英単語の文字列をの冒頭をバラした読み方のアドバイスを受けたら、道路標識が読めたと言うシーンがありました。
その事は、うちのむすこが漢字を部品をバラバラにして唱えていったら、漢字の覚えるコツを得てきた事に良く似ていると思われました。
ところが、低学年~3年生ぐらいまではそれでよかったのですが、4,5年生と学年が上がるにつれて、漢字の読み方がひとつでなくなってきます。
日本人のむすこにとって、漢字の音読み・訓読み。地域毎での慣習的な読み方(特に地名)。これの区別が難しく、結構自信無さげに読もうとします。
これが、今後の課題であります。
「小学生なんだから読めなくて当たり前!」そんな事を声掛けしながら自信を持って間違えるようにアドバイスをしてあげています。
まとめ
うちのむすこは、確かにサッカーは器用にこなす方ですが、いわゆる天才と言う訳ではありません。
確かに、勘で動きがよいと言うのは見受けられます。
しかし、その「勘」が働く裏側では、相当な「悩み」があり、出来ないなりの「努力」をしていると信じています。
だって、文字の読みが不得意でもこれだけのことが出来るんです。
この本に「自分と同じ子」の事が書いてあると持ってきてくれるんです。
今回はこれだけでも大きな成長があったと思っています。
今回は、むすこのかなり似た症状の子が主人公でした。
大人でしたら、1時間ぐらいで読めると思います。
ご興味のある方は是非読んでいただくとむすこの状況が伝わると思います。
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