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ぼくらの世代だと学生時代に、作詞家としてや女優さんと再婚されてその方が白血病で亡くなってしまったりで存じ上げている著者。
それがどうしたと西原理恵子さんとギャンブルのエッセイが出ていたり、忘れた頃に日経新聞の連載小説があったりと、なんとなく気になっていて目に留まると読んでしまう著者の本。
毀誉褒貶ある著者なので、「なに言ってんだよー」「へー」とこっちも貶しながら、またうなづきながら読めるので何となく読み始めても、いつも楽しまさせてもらっています。
今回は、忘れた頃にそう言えばと思って「大人の流儀」と言う本を読んでみました。
人それぞれ世代も違って感じることはちがうと思いますが、そこはお許しくださいってところです。
さて、この本には2人の身近な方の死が書かれていました。
弟さんと、2人目の妻であった女優さんの事です。
特に女優さんが亡くなった時は、ぼくも18歳でしたのでよく覚えています。
通っていた神保町の化粧品屋さんの軒先にその女優さんの等身大パネルが亡くなった後もしばらく飾ってあったのも思い出として残っています。
人の死、特に身近な人の死に直面した時のことを良く書かれていました。
ぼくの、身近な人の死。。。。
10代、20代、30代の頃は、自死・事故が多く。
40代、50代になると、病死がそれに多く加わりました。
自分の事を言うと、5年前の自分の父(80代)も病死でした。
父の死は、未だに実感が無いのが本当の話です。
今でも実家に行くと「おう」と手を上げながら、大好きなドラゴンクエストをやっていそうな気がするぐらいです。
そう言えば、父の死の後始末をやっている時に父の現役時代に関係各所に亡くなった報告の電話をかけていきました。
大学の同窓窓口、勤務先のOB会のようなところの代表さん、勤務先の総務部、等々です。
80代ですので、現役時代からはだいぶ遠ざかっています。
こんな、だいぶ前に現役をやめているおじいちゃんの死なんてどこのだれかわからんだろうと、事務的な報告程度に電話を掛けました。
その、勤務先は全国組織で小さいところではありません。
勤務先のOB会や総務部の方は、ちゃんと父の名前を覚えてくれていたのです。
どんだけ有名人なんだよ??
そして、総務の(たぶん役員の方)。
「え、むすこさん??あのむすこさん?おとうさん亡くなったの?えー!!、、、、(絶句、涙)」と電話の向こうで嗚咽を抑えているのがわかるぐらいの声で話してくれます。
「わたしね、おとうさんより10歳ぐらい年下だけどねぇ、すごくお世話になったの。式は終わったんですか?」
ぼくは、その方が今にもすっ飛んでうちに数珠を持って来てくれるような勢いを感じたので、
全て、家族だけで済ませましたと伝えて、丁重に来ることをお断りしました。
その時、人の死と言うのは、人それぞれ受ける感情は違うものだなと感じました。
他人でも、こんなに悲しんでくれる方はいらっしゃるものです。
父の死は、未だに実感が無いと前述しました。
受け入れる受け入れないの問題ではなくて、実感が無いのだから仕方無いのです。
こればっかりは、解決できるのは時間しかないとそう思っています。
今生きている我々は現状の立ち位置を受け入れ生きていくことが大事。
ふらふら隣の芝生を眺めるのは若い頃だけで十分。
受け入れられる時が来たら、その時はその時です。
あ、この本、また思い出す時がきたら続編行って見ようと思います。
その時は、その時。
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