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親戚にお兄さんがいます。
海外にずーっと行ってしまって、いつ戻って来るかわからない人なので、彼にはめったにお会いすることはできません。
むすめ愛用のテディベアは、彼にイギリスで買ってきてもらったおみやげばかりです。
ITエンジニアとしては大変優秀な人で、ぼくやみなさんがお使いの「あのスマホ」の中に彼が開発したコア部分で常駐して動いているのだそうです。
なんだか、使用する度に見られているようで気持ち悪いです。
そんな彼は、小1の初め頃までは、文字が読めなかったそうです。
聞いて見ると、小学校入学時は、自分の名前が読めないもんですから、彼の分かる「シンボルシール」である「くるま」のシールを貼って、自分の持ち物と判断させていたそうです。
後々文字を読むことは克服できたそうですが、文字へのコンプレックス、つまり国語特に現代文(現国)への嫌悪感と言うのは大きくなっても拭いきれずに、現代文の問題をやらせても「なんで作者の気持ちなんかわかるんだ、わかるわけないだろ?」と言っていたそうです。
確かにそうです。ぼくもそうでした。現代文の読解問題は難しいと思います。
時々まぐれでとんでもなく高得点を取るか自滅するかどちらかでした。
しかしながら、試験問題として出されたものはこなさないといけませんのですが、彼は全くやろうと言う気になれなかったそうです。
その代わり、国語、英語など言語系以外の教科はよく出来ていたそうです。
すごく何て言うかバランスの悪さを絵に描いたようなお兄さんです。
文字の読み書きを克服できたのはいつか?
そんな、親戚のお兄さん。
読めなかった文字がいつ読めるようになったか?おぼえていないそうですが、いつの間にか普通に読めるようになったそうです。
実は、彼はサウスポー(左利き)です。
小学校入学まで、左手で字や絵を描いていたそうです。
でも、それまでは文字を読むことが出来なかったそうです。
当時は親御さんも学習障害とかなんとかそんなものがあるとは知りもしないので「幼児なんだからあせることないや」とのんびり構えていました。
そして、小学校入学後、今は絶対そんなことしないと思いますが、小学校の先生が左手での書字を右手で書くように強制(矯正?)するように指導をしたそうです。
それから、いつの間にか普通に文字を吸収して発するようになったそうです。
昔の話なので細かいところまでは追う事は今となっては不可能ですのであしからず。
今では、英語やドイツ語を駆使して、立派に仕事をしているので大したものです。
その代わり、日本語を使う機会が無いので変なまとまりのない長いだけの日本語メールを唐突に送ってきます。笑えます。
利き手の反対の脳が運動を起こさせる
ぼくは、むすこのディスレクシアの事から色んな本やwebを参考にしています。
その際に「右脳は左半身の運動をおこさせ、左脳はその逆」と言うのを聞いたことがあります。
更に、以下のようなことを目にすることが多くありました。
「右脳」と言うのはことばを発しない脳でことばの理解もさほどではない、その代わり全体を画として捉える能力に優れている。(「感覚脳」)
「左脳」は「言語脳」と呼ばれていて、ことばを理解し発することはこの「左脳」によるものということらしい。(「論理脳」)
そのようなことを、どちらの脳もバランスよく使う事ができないと、国語算数理科社会を習ってもまんべんなく理解できることは不可能ですし、情報の受け渡しなんかも難しいかったんじゃないかな?
ことばや知覚のバランスが取れないと、他の体幹なんかにも影響するような気がする。
実際、兄さんは運動が得意だったなんて聞いたこと無いし。。。。
利き手強制が効果あったかは分かりません
兄さんと話をする機会があると、普通に会話は可能です。
それは、左利きを右に強制されたことにより、左脳の動きが滑らかになったのかどうかはわかりません。
ただ、ほんのわずかラグある会話になるような気がします。
気にする程ではありません。
うちのむすことは話が合うみたいです。何て言うかその会話の波長が合うのかもしれません。
自分が用意した題材はもちろん滑らかに話をしますが、ちょっと不意打ち的な突っ込みをいれた場合は、変換装置に掛けたような会話になります。
文字データをフロッピーからガチャガチャ読み込む16ビットコンピュータ時代のようなそんな間にも感じます。
普通にことばの想起は想像イメージとして出来ているみたいですが、遅れます。
頭は良く、論文も書けるので、特に左脳が劣っているわけでは無いと思います。
今思うと、彼の場合右脳がやたら発達して、、、と言うか頼り過ぎて左脳での言語処理のことを忘れているそんな印象も受けます。
調べてないですが、ASD気味なところがあるので尚更、興味に偏りがあって、かなり苦労しているだろうなと思います。
どこから見ても見てくれはこてこての日本人なのですが、アメリカやヨーロッパの水がかなり合うようです。
社会的に、彼の特性に対しても理解があるのでしょう。
一時期カウンセリングにも通っていることもありました。
総合的にバランスよい能力を要求される日本の社会は合わないと、自分でもわかっているようです。
そんな事で、日本に帰ってくる気はサラサラないようです。
「日本食の方がいい」とかやせ我慢を言うこともありますが、本心じゃないでしょう。
そう言えば年末ぐらいに「コロナで暇だから帰ってきたい」って泣き言言ってたな。。。。
まとめ
むすこのディスレクシアの事を考えていて、ふと遠い地にいる兄さんの事を思い出しましたので、左利き等の事を記述してみました。
左利きには本当に右脳が有利なのかは専門家でないので説明をぼくはできませんが、この兄さんの例を考えてみると、左利きであったばかりに左脳がないがしろにされ、言語処理の成長を妨げていたというのは本当なのかもしれません。
ただ、うちのむすこは右利きです。
左でサッカーボールは蹴れますが、右でした字を書けませんし、お箸も右です。
充分、左脳は有利なはずですが、言語処理は今だに遅れています。
他に理由はあるのでしょう。
むすこの見守りはまだまだ続きます。
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