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日曜日ネタです。
昨今、「境界知能」(borderline intellectual functioning)と言うことばを耳にします。
「グレーゾーン」とも言われますね。
うちも、むすこが小3の頃にWISC-Ⅳ(IQ検査)の結果でその用語を言い渡されました
その時に、初めて「境界知能」「グレーゾーン」と言うことばを聞き、ショックを受けたことがあります。
「成長と共に解消されることもありますので、今の時点ではあまり気にする事では無いですよ。」と各方面の方からお気遣いのことばをいただきましたが、「はっきり(スコアに)出るもんだな。」と一瞬気に病んでしまいました。
それで、その時点での対策がわかりましたので少しづつ努力していきました。
現時点では、一部伸び悩んだものもありますがほとんど解消されていて良かったと同時に、対策が更に絞られてきました。
当時は勉強に関して、かなり自信を無くしていましたが、現在では明るく取り組めるようになりました。
自分に自信がついてきたのが良かったです。
自信と成長がスコアに反映されるのですね。
4つの指標があるWISCと素人の見聞
WISC検査の詳しい事は記述しませんが、結果を聞いた時に教えていただいた一般的な話を記述します。
いつも言っていますが、ぼくはこの分野での学位も持っていませんし、専門家でもありません。
あくまで、素人なりに見聞したことと、昨今言われている事についての感想を記述したいと思います。
このWISC検査では指標が4つ程あって、その指標には得意・不得意が反映されます。
それによって偏りはもちろんでてきますのでスコアが高い指標があったり、スコアが低い指標が結果で出てきています。
もちろん、このスコアが全て平均的なもので頭が揃っているのが、保護者としては育てやすい子になるのかと思いますし、まだまだ平均的な子を求める世の中でありますのでそう言う子は「使いやすい人間」として将来は重宝されるでしょう。
しかしながら、人間なんて「みんなちがってみんないい」訳ですから、個人差があるわけです。そのスコア毎の凹凸があると、このような平均的な子を求める世の中ではある面では「生きづらい」「苦手」と言う事になるのでしょう。
程度の差はありますが、ご自分の事を思い浮かべるとよくわかると思います。
WISCはその人物全てを図るものではない。
前述した4つの指標を通じて評価をし、数学、言語、空間認識、論理思考などの能力を含む総合的な知的能力を示すスコアを算出します。この総合的なスコアがFSIQと呼ばれます。
そしてこうして出た結果全体をFSIQ (Full-Scale Intelligence Quotient(全検査IQ) の略)で表したものが、個人の全体的な認知能力を表すスコアです。一般的には Wechsler 知能検査(WISC,WAIS) で算出されます。
ぼくは、この全検査IQはあまり重視しません。
要はスコア毎の凹凸がどうなのか?と言う所を見て「生きづらさ」や「不得意な勉強方法」を考えて考えて提案して行く必要が重要と考えています。
FSIQの評価点は10点から190点までの値が範囲だそうです。「平均」(90-109)を中心とします。(値が低い方の)「境界線」は70-79であり、69以下は「特に低い」となります。逆に、スコアが高いほど、全体的な認知能力が高いことを示します。
ただし、FSIQ はあくまで一つの指数であり、個人の能力を完璧に表すものではありません。
ぼく個人はWISC検査は、IQを出したり、発達障害かどうかを判断したりするための検査ではないと言えると考えています。
WISC検査の目的は、子どもの発達や得意・不得意に関する客観的なデータを得て、学校や家庭での支援に役立てるものであると言う事で受けるようにしています。
つまり、ここで言うIQ検査とは人間がこの先生きて行く上で極々一部の指標に過ぎないと考えています。
音楽認知のスコアは?絵描認知のスコアは?立体造形のスコアは?運動能力のスコアは?コミュニケーション能力のスコアは?・・・・・・
逆に含まれていないものの方が多いと思います。
含まれない部分の認知に優れている人は、今までどういう扱いを受けてる??
もし、弾かれている人がいたとしたら、損失は大きいと思います。
知能指数分布と偏差値分布をごちゃごちゃにする人
しかしながら、このような知能IQ検査と聞くとどうしても「正規分布曲線」のグラフを反射的に思い浮かべてしまいます。
Alessio Damato, Mikhail Ryazanov, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons 知能指数分布(正規分布)この「知能指数分布」表を見ると、大体の人が思い出すのは「偏差値分布」(T-score)でしょうか?
Heds 1 at English Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons 正規分布における偏差値の分布。T scoresが偏差値を示す。どちらも正規分布ですが、示している数字も違うし、やっている事も違う。
どうしても右側のエッジに近づけば近づくほど低いと言う認識が身に付いていることでしょう。
あの表の形を思い浮かべた瞬間に「(境界知能とは)自分とは話が合わない」「そんなことをしでかすのは境界知能のやつだ!」等とレッテルを貼ってしまう方も多いと思うのです。
とても危険だなと感じています。
また、「自分は高IQだ!」「わたしは平均よ」と言う方も散見されます。
どこでどんな検査をお受けになっているかもよくわかりません。
特に、SNS上で発信力のある方は、もっと正しい用語の知識もって、配慮のある用語の使い方で発信して欲しいものです。
おとななのに関係の無いことだからと言って安易にからかうようではいけないと思う。
ぼくは、むすこの件で昔「グレーゾーン」と聞いた時まで「境界知能」「グレーゾーン」と言う用語を聞いたことがありませんでした。
それ程一般的な用語で無い用語なので、調べもしない方がチラッと見て「そう言うもんなんだ」と間違った知識をもってしまうことは本当に怖いと思います。
ぼくだって、自分に関係の無い話であれば、自信がありません。
近所に住むむすこと同級生のおとうさんがSNS上で「境界知能」をからかうことを発言されていました。
もちろんその方はうちの状況は知らないのですが、そんな身近な人まで・・・と軽くショックでしたが、自分に関係なければ(本当か??)いいのか?と思うと同時に、ことばが先走りまくっているなと・・・・
そんな状態だと、IQテストに含まれない検査で突出した認知・才能がある方を潰しかねないと思います。
特にテレビでやっている芸能人のIQ値。
ネタ的にフェイクかもしれませんが、あれを見かける度にあんな高度な個人情報を当人の了解を得たかもしれないけどよく公共の電波に乗せるもんだとあの業界の品性を疑ってしまいます。
もっと他人を尊重するべきだと思います。
あー言うのが、IQ信者を増殖させているんだろうなと苦笑してしまいます。
それと、あの本も裏目に出たね。
かつての世界大戦が、一部の血迷った抜群に優れたエリート達が起こしてしまったと言うレポートもあります。
要は、記憶力が良くて難しい試験を通過できるだけでは、イレギュラーな事では教科書通りにしか判断するしかなく、それが判断ミスにつながり、みんなを不幸に招いたということのようです。
エリートを自覚される、人の上に立つ方々は、国民がみんな笑顔で暮らせる方に気持ちを注いでほしいものです。
ところで、ぼくが小学生の時代、毎年何度か「知能テスト」を学校で全員あたり前のように受けたことがあるんですけど、あれってなんだったんだ??
今思うと怖いな。
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